今年から日本でも使用できるようになった注射器を用いない、鼻噴霧タイプのインフルエンザワクチンです。海外では20年以上前から使用されており、日本でも数年前から輸入して使用している医療機関がありました。弱毒化したウィルスをこのウィルスの主な感染経路である鼻から噴霧して抗体を産生させ、免疫を作る仕組みです。皮下注射と同じタイプの抗体だけでなく、″粘膜特有の抗体”IgA抗体も誘導できる点が注射のワクチンよりも優れています。
- 利点
- 何といっても注射をしない点です。片側に0.1mlずつ両鼻に噴霧します。効果の持続も皮下注射ワクチンよりも長く、免疫が約1年続くとされています。
- 注意点は
- 生ワクチンなのでインフルエンザ様の症状(発熱・鼻水・頭痛など)が起こることがあります。発熱している時にインフルエンザ検査をすると陽性と出てしまいますが、そこでタミフルなどの治療薬を使用すると期待したほどの抗体が産生されない可能性があります。発熱したらカロナール(アセトアミノフェン)やイブなどの解熱鎮痛剤を使いましょう。またいわば弱く感染した状態を人工的に作っていますので免疫力が弱い状態の人と接すると感染させてしまう可能性があります。接種後2週間程度は重度の免疫抑制状態の方や新生児・妊婦に接しないように気を付けてください。その他まれな副反応としてアナフィラキシー、ギランバレー症候群などがあります。ゼラチン成分を使用しているのでゼラチンアレルギーの方は接種できません。
- 他のワクチンのとの併用は?
- 生ワクチン同士は27日以上接種間隔をあける必要があります。その他のワクチンは同時接種可能です。
- 費用は?
- 8500円です。練馬区の接種券は使えませんのでご注意ください。