鼓膜切開のページ

当院では主に滲出性中耳炎に対し、メスを用いないレーザー鼓膜切開を行っています。まず麻酔を行います。鼓膜の麻酔は麻酔液を電気分解によりイオン化し鼓膜に浸透させて行います。麻酔液を外耳道に滴下し、その上にイヤホン型の電極を挿入して腕に巻いたバンドとの間に11分間ほど微弱電流を流すと麻酔完了です。

麻酔による違和感を感じることはありますが、鼓膜内側に水が溜まっていることに慣れてしまっている状態で行いますので知覚は鈍く、痛みとして感じることはほとんどありません。 切開は麻酔した耳を下にして麻酔液を出した後に最新型鼓膜切開レーザーを用いて行います。鼓膜をモニターで見ながら直径1~1.6mmに設定した円形の穿孔を0.2秒程度の瞬間に生じさせることができます。

切開後

切開後に痛むことはありません。耳漏(耳だれ)はあってもすぐ止まることがほとんどです。入浴は当日、洗髪は翌日から可能です。中耳に細菌感染が残っていると耳漏が続くことがありますので翌々日以降も続く場合は受診してください。耳漏がなければ翌週の受診で結構です。

経過

穿孔は早ければ1週間遅くても1か月以内には閉鎖します。開存している間に中耳が十分に換気され、耳管の働きが正常に戻れば再発しません。閉鎖後すぐに再発(浸出液が溜まる)場合は数か月程度で脱落するチューブ挿入を検討する必要があります。