睡眠時無呼吸

家族にいびきを指摘される、いくら寝ても疲れが取れない、昼間によく眠くなるなどの症状はありませんか?もしあれば寝ている時に無呼吸・低呼吸を起こしているのかもしれません。

症状
寝ている時: いびきがひどい 呼吸が止まっていると言われる 息苦しくて目が覚める 夜中に何度もトイレに起きる など
朝起きたとき: 口や喉が異常に乾く  頭重感・頭痛 熟睡感がなく、疲れが取れない など
昼間:強い眠気や倦怠感・疲労感 集中力や注意力の低下 会議中や運転中にうとうとしてしまう 成績低下 など
放置すると
社会的には仕事や学業の面でマイナスであるだけでなく交通事故を起こしやすくなるなどの大きなトラブルにつながると考えられています。
健康面では心肺機能に負担がかかり、高血圧や糖尿病の悪化要因となります。心筋梗塞・脳卒中などの致命的な疾患を起こすリスクがあり、死亡率が高まることがわかっています。
原因
多くの場合は睡眠中に気道が狭くなって起こります(閉塞性睡眠時無呼吸)まれに心不全や脳梗塞などで呼吸を調整する機能が不安定となって起こることもあります(中枢性睡眠時無呼吸)
診断(検査)
耳鼻科では
耳鼻科は上気道が専門なので鼻や咽頭、喉頭に気道狭窄がないかを直接確かめることが出来ます。内視鏡で鼻から喉頭までの気道をチェックして狭窄がなければ睡眠時に舌根が落ち込んでいることが原因となっている可能性があります。鼻や喉に狭窄があれば耳鼻科的治療が優先されます。上気道に問題がなければまずは簡易検査を行います。

簡易検査
自宅でご自分で簡易的なセンサーを取り付けて行う検査です。鼻の下や指先に検査機器を装着し睡眠中の呼吸状態、いびき、血中酸素濃度などを測定します。この装置で1時間当たりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)を測定し大まかな重症度を判定します。AHIが40以上(R8年6月からは基準が変わって30以上)の場合は重症の睡眠時無呼吸症と診断されCPAP治療(経鼻的持続陽圧呼吸療法)の適応となります。

精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)
簡易検査でAHIが20以上40未満(R8年6月以降は15以上30未満)で昼間の眠気などの症状がある場合はさらに精密検査の対象となります。この検査は簡易検査の機器に加えて脳波やおなかの動きなどのセンサーを足して行いますが、入院で行う場合と自宅で行う場合とがあります。この検査でもAHIが20以上40未満(R8年6月以降は15以上30未満)の場合はやはりCPAP治療の対象となります。20未満の場合(R8年6月以降は15未満)は舌根沈下を防ぐマウスピースを歯科で作ってもらうのが治療となります。 なおAHIが5未満は正常範囲内とされます。

治療1 CPAP(シーパップ)療法
 中等症から重症の睡眠時無呼吸に有効な治療法です。睡眠時に専用のマスクを装着し機械から加圧した空気を送り込むことで狭窄部を広げて睡眠時無呼吸を改善する治療法です。装着さえできれば効果が非常に高い治療法です。
当院でのCPAP療法は医療機器会社からご自宅へ送付される専用の機器を毎晩装着していただく形となります。マスクを装着して寝ることになるので最初はなかなか慣れませんが、続けると昼間の眠気がなくなる、下がりにくかった血圧が下がるなどの効果が期待できます。
当院へは月に1度の通院でCPAP機器から得られた睡眠中のデータ解析結果の説明をするとともに、機器設定の調節を行います。
治療2 マウスピース療法
 マウスピース療法はAHIが20未満(R8年6月からは15未満)の軽症睡眠時無呼吸や中等症以上の睡眠時無呼吸ではあるがCPAPの装着がうまく継続できない方などが適応となります。寝る時にマウスピースを装着し、下あごを前に突き出した位置に固定すること舌根沈下を防ぎ、無呼吸やいびきの発生を予防します。
費用(3割負担の場合)
簡易検査の費用は3割負担で2700円です。
初診時に鼻喉の内視鏡検査(1800円)を行ってから簡易検査を申し込むと初診料を合わせて6000円弱の自己負担額となります。
精密検査は自宅で行うと6600円の負担(再診料を合わせると7000円)
CPAP治療は毎月通院して月額負担が4500円程度となります。
まとめ
睡眠時無呼吸は放っておくと社会的損失、死亡率の上昇など重い結果をもたらします。痛みや熱などの症状と違って緊急性がないため放置されがちですが思い当たる点があれば検査だけでも受けることをお勧めします。