急性副鼻腔炎

要約

急性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿の急性のもの)は風邪などの後に頬や目の奥、額に痛みを起こします。抗生剤で治療します。

顔面には鼻腔とつながった空洞があり副鼻腔と言います。副鼻腔炎は風邪やアレルギーで鼻の粘膜が腫れたときに副鼻腔内に細菌が繁殖して発症します。簡単に言うと鼻づまりで副鼻腔が詰まって膿が溜まるということです。

主な症状

膿性の鼻汁に続いて起こる頬や上顎・目の奥・額の痛みや頭痛が急性期の特徴的な症状です。特に下を向くと痛みが増強するのが典型です。痛みがない場合は鼻の中の膿のにおい、後鼻漏(鼻汁が喉に落ちること)痰が絡んで咳が治らないなどです。

診断方法

内視鏡で副鼻腔への交通路が詰まって膿が出てきていないかを直接見るかレントゲン撮影で副鼻腔に膿が溜まっていないかどうか見ます。

治療法

細菌感染ですので急性期には抗生剤で治療します。去痰剤が鼻汁の排泄を助けるので一緒に内服します。鼻粘膜のむくみを取る点鼻薬や鎮痛剤を適宜併用します。耳鼻科受診時に行うネブライザー治療はあらかじめ処置をして鼻腔を広げてから行うと副鼻腔までミスト状の薬剤が届くので補助療法として効果的です。

経過

痛みを伴う急性副鼻腔炎では1週間は抗生剤治療を行ったほうがよいでしょう。痛みがなくなった後も膿性鼻汁や後鼻漏が続くときには殺菌よりも膿の排泄を促したり炎症を鎮めたりする効果のある抗生剤に変更して治療を継続したほうがより完治しやすくなります。

特殊な副鼻腔炎

歯の炎症が原因で起こる歯性副鼻腔炎には歯の治療が必要です。また一般細菌ではなく真菌(カビ)が繁殖して起こる副鼻腔真菌症では手術が必要です。また、慢性的な経過(数か月症状が続く)をたどる副鼻腔炎は慢性副鼻腔炎としてまた別の治療が行われます。